★超初心者・MIDI/DTM入門講座★

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<打楽器をもっと増やす>

 今回は「DOMINO」の使いこなしとして打楽器の発展的な使い方を紹介します。
 これは私自身よく分からなかったことでDOMINOの作者サイトにて質問し回答を得ました。

 「CH10以外にもドラムセットを追加するには?

 基礎段階として「ドラムは10CH」と覚えておくようにお話しましたね。それはもちろん基本なのですが、実はGSの仕様では2種類までのドラムセットを同時に使用することができます。加えて「Windows内蔵音源」ではその制限を越えて「9つのドラムセット全部」を同時に使用することまでが可能です。
 なおこれは私自身が誤解していたことなのですが、「2つのCHまで」ではありません。つまり極端なことを言えば「16のCHすべてをドラムセットにする」ことも可能なわけです。そしてそこで使えるのは「最大9種類のドラムセットまで」ということです。

 左図のように全部で9種類ものドラムセットが用意されており、通常はどれか1つでも十分事足りるのですが、1曲の中で2種類以上のドラムセットが同時に使えればやっぱりその方がいいですよね。

 「そんなにドラムセットのCH増やしてどうすんの?」と思われるかも知れませんが、たとえば「タムやティンパニーの音だけにピッチベンドをかけて音程変化を与えたい」というような場合、1つのCH内のドラムセットでそれを行うと他の打楽器までピッチ変化の影響を受けてしまいます。
 ですから1つの打楽器だけドラムパターン演奏中にピッチベンドで音程変化を与えたいというような場合、同じドラムセットを別チャンネルにも用意してやり、ピッチベンドを使う打楽器を他の打楽器と切り離してコントロールできるわけです。

 ピッチベンドに限らずチャンネルに独立した打楽器を配置しておけば、ボリュームの変更も簡単ですね。

 ピッチベンドの情報は同じチャンネルの音すべてにかかりますが、「同じ楽器でもチャンネルが違えば影響しない」(まあ当然なんですが)わけです。

 「できるはずだ」というのは以前からなんとなく知っていたのですが、今ひとつ設定がわからなかったのでDOMINOの作者サイトの質問掲示板にて回答を得ました。「解説サイト」としてこのサイトでも紹介しております「逃亡者」様のサイトにその説明がありました。
  さすがDOMINOやり方は簡単でした。(他のソフトだと結構面倒な記述をしなければならなかったりするんですよ、これ)

(ドラムセットの追加方法)

 2つのチャンネル(ここでは CH10CH11 としましょう)にそれぞれ別のドラムセットを割り振るには次のようにします。
(CH10には初期状態としてドラムセット「001 STANDARD」が割り振られていますので、(これも他の楽器の音色と同じ要領で変更できますが)これ以外に「CH11」にも違う種類のドラムセットを割り振るとしましょう。

1、GSリセットを音源に受信させるため、一度冒頭から初期設定部分を再生する。

2、System Setup設定を変更する

 次にトラックセレクトから「System Setup」を選びます。
 そして「CH11」の初期状態で「Melody」となっているのをダブルクリックします。

 開いた「コントロールチェンジのプロパティ」で「Melody」を「Drum 1」に変更します。(「解説サイト」で「Drum 2」はパンが不安定なため選択しないことという注意書きがありました)

 そして「OK」を押してください。

 するとさきほど「Melody」だった「CH11」が「Drum 1」に変更されていることが確認できます。これで「CH11」にも好きなドラムセットを指定することができるようになりました。
(なおドラム用のチャンネルとなったら今度は一般の楽器は選択できません。ドラムセット以外の一般楽器に戻したいときは、今と同じ手順で「CH11」の「Drum 1」をダブルクリックして「Melody」に変更してください)

3、CH11用のドラムセットを選択する

 そしてトラックリストの「CH11」を選び、楽器変更と同じ手順でドラムセットの種類を選べばOKです。


(通常楽器に含まれる打楽器を使う)

 上記手順で複数のチャンネルをドラムセット用に指定できますが、これ以外にも打楽器を増やす方法があります。
 それはごく単純に「Melody(一般楽器)」の中に含まれている「パーカッシブ」の音色を用いることです。これはピアノをオルガンやギターに切り替えるのと同じことであり、音色として「パーカッシブ」にある打楽器を使えばこれでも打楽器を追加できたことになります。

 さらにこちらの方法には「ドラムセットを追加」することではできない別のメリットもあるんです。

 今 CH12 に「音色」として「パーカッシブ」の中にある「Synth Drum」を指定してみます。


 これが「CH10」のように「ドラム音色」のトラックならピアノロール部分には「打楽器名」が並んでいるところですが、今は「一般楽器」としての「Synth Drum」ですから普通にピアノの鍵盤が並んでいます。そしてどの鍵盤を押してもなるのは「Symth Drum」の音ですが「音程がある」ということに着目してください。つまり「高い音」、「低い音」が自由に選べる状態です。

 これがドラム専用チャンネルですと、「それぞれの鍵盤に違う打楽器」が割り振られているわけですが、一般楽器ですから、1つの打楽器でメロディも奏でられます。考えてみれば当然ですね?

 ドラムセット内の特定の打楽器をピッチベンドでコントロールするだけであれば最初の方法で別チャンネルにもドラムセットを割り振れば可能ですが、打楽器を一般楽器として扱うと「鍵盤すべて」の音域でその音が使えます。現実の打楽器はそんなに広い音域を持っていませんが、「音の素材」として割り切れば超低音で「地響き」、高音でチャイムっぽい「効果音」としても活用できます。

 

 なお、「同じ楽器を複数のチャンネルに割り当てる」という考え方は打楽器に限らず、たとえばギターアルペジオの中でハンマリング・オンプリング・オフピッチベンドで表現しようとするときも同じです。つまり2つの別チャンネルに同じギターの音色を当てておき、ピッチベンドを使う音だけをアルペジオのチャンネルと分けてやることでピッチベンドがアルペジオの音程まで変えてしまうことを防げるわけです。



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