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★トーンを極めよう★

 「02. グラデーションのかかった水玉模様」の中で「グレー」に対して「Filter > Pixelate > Color Halftone(カラー・ハーフトーン)」を「1〜4チャンネル」すべて同じ数値で適用すると黒い水玉になることを理解しました。

 ここでは更にその理解を深め、今後必要に応じて自在にそれを活用できるまでにしたいと思います。
 前回は「グレーで均一に塗りつぶした」ものに「Color Halftone」を適用しましたが、今回は「黒から白へのグラデーション」でそれを行ってみます。その結果を通じて「Color Halftone」のメカニズムを完全に理解してしまいましょう。

 「横 640 × 480 (pixels)、RGB」で新規書類を開きます。そして「グラデーション・ツール」を選び、「黒から白へ」のグラデーションをオプションで選びます。



 下から上へ向けてグラデーションツールで画面をドラッグすると上の左図のようになります。
 次に「Filter > Pixelate > Color Halftone」を適用しますが、原理を理解するためにここでは「Max. Radius(最大直径)」を「10」、「Channel 1〜4」すべて「」にしてOKを押してください。

 さて先ほどの「黒から白へのグラデーション」がこのように変わりました。
 これが意味するのは、「黒い箇所ほど密、白い箇所ほど粗」にトーンで埋まるということです。
 チャンネルは「1〜4」すべて同じ「0」を入れましたのでトーンは縦横に整列しており角度がついていません。
 各チャンネルに同じ数値を入れる限り水玉は「黒」となります。これは「YMCK」の各チャンネルのドットがまったく同じ傾きとなるためそれがぴたりと重なって「黒」を作るからです。「チャンネル1〜4(=YMCK)」の数値を異なったものとすると、色事にずれが発生します。これは実際に自分で様々な数値を入れてみて「ああ、そうなるのか」と実感するのが早く確実な理解につながるでしょう。

 「Ctrl+V」で今の作業をキャンセルします。これは直前に行った作業をキャンセルするショートカットで「Edit > Undo(取り消し)」を選んでも同じです。もしさらに他の作業をすでに行っている場合は、「ヒストリーパレット」で「Color Halftoneを適用する直前」までさかのぼるか、一旦レイヤーの画像を削除してもう一度「黒から白」へのグラデーションを描いてください。
 次に同じ「Filter > Pixelate > Color Halftone」で「Max Radius(最大直径)」を「」としてみます。これは入力できる最も小さな数字であり、これ未満を入力しようとしても警告メッセージが出るだけです。
 結果として左の図のように非常に細かい網掛けのようなトーンが発生します。

 ここまでの実験的作業を通じて理解できたのは:

  1. Color Halftone」ですべてのチャンネルを同じ数値にすることで黒だけのトーンが作れる
  2. グラデーションに対して「Color Halftone」を適用すると「黒い部分ほど直径の大きな点」となり「白い部分ほど点の直径が小さくなる
  3. 真っ黒な部分で「Max. Radius(最大直径)」に入力した大きさのドットとなる。
  4. 真っ白な部分にはドットが発生せずグレーは「白から黒」のどの位置かによってドットの大きさが決まる。

 ということです。このメカニズムが理解できていれば様々な応用も利くようになります。
 さっそく今の理解を確認するために他の実験的作業も行ってみましょう。今作ったトーン画像は保存して閉じてください。

 適当なカラー写真(できれば高解像度)を開き、背景レイヤーを「Ctrl+J」で複製します。複製されたレイヤーをややコントラストの強いグレースケールにします。(最初から白黒写真を使っても構いません。)
 カラー写真を開いたら「背景レイヤー」をダブルクリックして「レイヤー0」とし、「Image > Adjustmen > Hue/Satuation(色相・彩度)」で「Satuation(彩度)」を目いっぱいさげて白黒写真にします。
 それから「Image > Adjustment > Level(レベル)」で左図のように両側のスライダを少し中央によせて中間色を減らします。極端に中央に寄せるとグレーがなくなりクッキリとした白黒になりますが、今回は「グレーの部分」も残します。

 これを新聞の写真のような網掛けにしてみましょう。
 「Filter > Pixelate > Color Halftone」で「Max. Radius(最大直径)」を入力可能な最小値である「」とし、チャンネルはすべて「45」とします。これで斜めの網掛けができるはずですね。「OK」を押す前に結果をイメージで予測してみてください。

 いかがでしょうか。予測通りの結果になりましたか?
 これでまだ「目が粗すぎる」と思った場合は、「もっと解像度の高い写真を使う必要がある」ということです。
 また事前の写真の「レベル調整」でどれくらいの中間調(グレー)を残すかでこの結果も変わってくることがご理解いただけるかと思います。

 最初に背景レイヤーを複製したのでカラー写真がそのまま残っていますね。
 背景レイヤーをもう一度「Ctrl+J」で複製し、できたレイヤーを一番上に配置してください。
 そして「Screen(スクリーン)」モードに設定します。すると黒やグレーのところだけに写真の色が乗り、真っ白な箇所には何も色がつきません。網掛けにただもとの写真を「スクリーンモード合成」したのでは色合いがぼけた感じなので、レイヤーパレット下の「新規調整レイヤー追加」を押し「Hue/Satuation(色相・彩度)」を選んで、色をもう少しくっきりさせましょう。

 左の例では「Satuation(彩度)」を「+42」、「Lightness(明るさ)」を「+1」調整しました。
 さらに手を加えたければ、カラー写真のレイヤーで例えば唇だけを選択範囲として「Hue/Satuation(色相・彩度)」によりもっと赤みを与えるなどしてもよいでしょう。

 また「人物の影」を背景にトーンとして描く手法として「Yahoo知恵袋」の質問に答えた「画像投稿掲示板」の回答も合わせて参考にしてください。

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