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268. 第1文型(S+V)

 「主語」と「完全自動詞」を「述語」とする文型です。
 文の要素として「 S(主語)」と「 V(述語)」だけあれば文として成り立つのが特徴であり、最もシンプルな場合はわずか2語で意味の完結した文となりえます。

 上の例は主語も述語もそれぞれたった1語だけから成り立っており、それでいて必要最低限の部品はそろっています。
 文型の種類を決定するのは「 S、V、C、O 」といった「文の要素」として何を含んでいるかだけであり、文の要素ではない「修飾語」がいくらたくさんあっても文型の種類とは無関係です。

 このように修飾語として機能している副詞形容詞の「語、句、節」がいくら含まれていても、「 S、V、C、O 」となっていない限り文型判定の判断材料とはしません。

 文型を適切に理解するためには「文の要素」と「修飾語句」の判別が不可欠です。修飾語についての理解があやふやな人は「品詞」の「形容詞」と「副詞」を復習する必要があります

 また述語に関しては「動詞」1語がそれを担当することもあれば、時制表現や態(能動態、受動態)によって複数の語がまとまって1つの「 V(述語動詞)」の単位を構成することもあります。また肯定文か否定文かも文型を左右することはありません

He runs. 彼は(日ごろ)走る
He is running. 彼は(今)走っている
He has been running. 彼は(今までずっと)走り続けてきた。
He doesn't run.
He isn't running.
He hasn't been runnning.

 これらはすべて同じ「 S + V 」型と見なします。
 従いまして、「動詞」の「時制」で解説した12種類の時間表現パターン(3時制×4相)の理解もまた重要な基礎となるわけです。これについても是非復習してください。

 語順が「 S+V 」の順番ではない「There(予備の副詞) be(V) 主語」もまた文型としては「 S+V 」に含めます。

There is a white house on the hill.
丘の上に白い家がある。
There used to be a book store at the corner over there.
かつては向こうの角に本屋があったものだ。

重文で同じ主語の繰り返しを避けて省略している文の場合は、省かれている主語を補って文型を考えます。

The sun rises in the east and (the sun) sets in the west. → 「 S+V and S+V
太陽は東から昇り西へ沈む。

 これだけ長くても第1文型なんですよ。ですから「第1文型は短い」などという先入観は持たないようにしましょう。

 命令文には主語がありませんが、これは「 You 」が自動的に脱落したものなので「 You 」という「 S 」があるものとして文型を考えます。

(You) Come here. ここへおいで
(You) Run faster. もっと速く走れ

 疑問文で助動詞と主語が入れ替わっていても文型には影響しません。この場合は「述語動詞」が「主語」を挟み込むように分散していると考えてください。疑問文になったことで文型が変わることはありません。

さらに疑問詞を使った疑問文は、その疑問詞がどういう語句に置き換わったものかを考えます。下の2つの文の文型は同じです。

 基本文型の理解の基本は「平叙肯定文」です。つまりごく普通の肯定文について正しく文の要素を見つけて文型を判定できることが第一歩です。その基本となる文の文型は次のような条件が加わっても変わることはありません

1、疑問文になっている。( Yes-No で答えられる場合も、疑問詞を使った疑問文の場合も)
2、否定文になっている。
3、命令文になっている。
4、時制・相が異なっている。
5、強調など何らかの理由で倒置構文になっている。

 このような違いがあっても文型判定に影響しないことはこれから先解説するどの文型に関しても同じです。



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