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236.前置詞

 前置詞は「(ことば)」と書きますが、これはすなわち「名詞(相当語句)の前に置き、それと結びつくことによって形容詞句または副詞句を作る働き」をする言葉のことです。

 なお名詞の前に置くといっても、前置詞の直後に名詞があるとは限りません。名詞には冠詞や他の形容詞がついているかも知れませんので、単純に前置詞の直後に名詞があるとは思わないでください。文法構造として、名詞を修飾する形容詞は名詞を膨らませているようなものですので、「文法単位」の順序としては確かに「前置詞の直後に名詞」が来るというのは間違っていません。

 前置詞は「形容詞句」や「副詞句」を作る部品ですので、まずは「形容詞」と「副詞」の2つの品詞について基礎理解が固まっていないと前置詞の働きも理解できません。そのあたりに自信のない方は、一旦、形容詞と副詞の項目に戻り、それぞれの品詞についての理解を固めてから前置詞の項目を読んでください。
(1) He goes to school. 学校に →行く 動詞を修飾しているので副詞句
(2) Look at that girl under the tree. 木の下にいる →女の子 名詞を修飾しているので形容詞句

 これが前置詞の最も基本的な働きですが、上の2つの例文と説明を見て「なるほど」と思えないとすると「形容詞、副詞」さらには「動詞」や「名詞」という基本的な品詞が理解できていないことになります。ここまで不安がないということでしたら、さらに先に説明を進めましょう。

 なおこれまで何度も繰り返して述べたことですが、単語の品詞というのはあくまでもその文中における単語の働きのことですから、同じ単語であっても、あるときは前置詞、あるときは副詞、あるときは形容詞、などと複数の品詞にまたがって用いられることは珍しくありません。(1つの単語で1つの品詞しか持たないほうがまれなくらいです)。このことはしっかり念頭に置いておきましょう。



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237.前置詞関連のいくつかの用語

 この解説に限らず教科書や市販の文法解説書をスムーズに理解するため、いくつかの用語について説明しておきましょう。

前置詞の目的語

 通常「目的語」といえば「他動詞の目的語」を指しますが、前置詞と結びつく名詞(相当語句)のことを「前置詞の目的語」といいます。普通の名詞であれば主格も目的格も形は同じですが、代名詞の場合は前置詞と結びつくとき目的格となります。たとえば「he」ならば「to him」という形になるということです。

句前置詞あるいは群前置詞

 名詞、形容詞、副詞などが1語でその働きをしている場合もあれば、複数の語がグループとして1語に相当する働きをしていると見なすことがあり、そういうものを「」といいましたね。「句」の単位を作るのは、この前置詞も同様であり、2語以上からなる語群を1語の前置詞と同等に見なすことで文の構造がシンプルに把握できます。

 ただちょっと困ることがあります。名詞の働きをする句なら「名詞句」、副詞の働きをしていれば「副詞句」といいましたので、その延長で考えれば、前置詞の働きをしている句なら「前置詞句」と呼びたいところですね。ところが、これについては「句前置詞」または「群前置詞」という他の用語との統一性に欠ける名称が一般に用いられています。

 私は個人的にこの用語が嫌いで、すべての品詞について「〜句」で統一した方が混乱がないと考えています。しかし多くの参考書で習慣的に用いられている用語なので、この解説だけ違う用語を勝手に用いるわけにもいきません。

 ちなみに「前置詞句」という用語もあるのですが、これは「前置詞によって導かれる句(形容詞句、副詞句とも)」を総称した意味に使われています。

句前置詞の例

(1) He resigned the company as of June 30. 彼は6月30日付けで会社を退職した。
(2) We communicate by means of language. 我々は言語によって意思疎通を図る。

 (1)では「as of」という2語が「〜付けで、〜現在において」という意味の句前置詞。
 (2)では「by means of」の3語で「〜によって、〜を手段として」の意味の句前置詞です。
 (1)(2)ともに下線部が「前置詞によって導かれている句=前置詞句」ということになります。



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238.形容詞句を作る場合

限定用法

 前置詞によって導かれる句が名詞を修飾していればその働きは「形容詞」であり、修飾語としての形容詞ですから「限定用法」ということになります。

the girl under the tree   木の下にいる女の子
the book on the desk   机の上にある本
stars in the sky   空の星

 なお通常の形容詞は名詞の前に置かれますが、前置詞に導かれる形容詞句は当然ながら名詞の後に置かれます。


叙述用法

 形容詞には名詞の前に置いて修飾語として使われる場合と「She is beautiful.」のように文の要素(補語)になる使い方がありましたが、前置詞によって導かれる形容詞句にもこの用法があります。

The road is under construction now. その道路は今工事中だ
It is of great importance. それは非常に重大だ。



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239.副詞句を作る場合

 名詞(や代名詞)を修飾する働きが形容詞であり、それ以外を修飾するのが副詞でしたね。
 前置詞によって形容詞句を作るものと副詞句を作るものに分かれているわけではありません。まったく同じ前置詞であっても形容詞句を作っていることもあれば副詞句を作ることもあります。
The book on the desk is mine. 机の上のは私のものだ。 「on the desk」は「the book」を修飾=形容詞
Your book is on the desk. あなたの本は机の上にある 「on the book」は「is」を修飾=副詞

 前置詞の理解の順序として最も簡単で基本的といえるのは動詞を修飾する副詞句を作っている場合でしょう。
 特に位置関係を表すタイプの前置詞が具体的なイメージを伴いやすいので、中学初歩などではまずこれから習います。

I was born in that hospital.   私はあの病院で(=の中で)生まれた。
The sun light came into my room through the window.   太陽の光があの窓を通して私の部屋の中へと入ってきた。
It was a seven hours' drive from the city to the village.   市からまでは車で7時間かかった。

 位置関係を表す前置詞の多くは反対語とのペアやグループにして覚えられます。
up (〜を上に) down (〜を下に)
over (〜の真上に) under (〜の真下に)
above (〜より上に) below (〜より下に)
inside (〜の内側に) outside (〜の外側に)
into (〜の中へと) out of (〜の中から)
from (〜から) to (〜へ)

 位置関係を表す前置詞は何よりも具体的なイメージを持ちやすいので先ずはそういう類の前置詞をかき集めてみるとよいでしょう。
 同じ前置詞がいろいろな意味に使われる例がありますが、先ず最初に「空間的な意味」があり、それが「時間的な意味」にも拡大して用いられ、さらにその他の「抽象的な意味」にも延長されていったというのが実際のところです。

   ところでどんな品詞に用いられる単語でも数え上げればきりがないほど多くの語彙があります。
 しかし、この前置詞については他の品詞に比べれば格段に単語の数が限られています。1語のもの、2語以上の句前置詞まで含めてもおそらく全部で200もないのではないでしょうか。(正確なところはわかりませんが)

 そこでこの際ですから前置詞の一覧をどーんと示してしまうことにしましょう。
 これは英語版 Wikipedia を参考にしつつ、明らかに現代英語では使われないものや、前置詞として普通は見なさないものを除外し、次の項目で表にしました。意味や用法に着目して分類しようかとも思いましたが、着眼点によってどうにでも分類できるところがありますので、あえて単純にアルファベット順のままとしました。
 ただし、ただ単語のリストを丸投げするのではなく、私なりに語源解説などを加えつつ、理解の重要ポイントについてのコメントや例文を添えてあります。

 もちろん、この表の前置詞がすべてではありませんし、そこに書かれている意味や使い方以外にも色々なものがありますので最終的には学習者自身が逐一辞書に当たり、色々な意味や例文をチェックするようにしてください。それでもこういう一覧があれば、「知っているものからチェックしていく」ことができ、前置詞をどこまで征服したかの目安を持てるかと思います。



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240.前置詞一覧

 以下に英語の前置詞(語、句とも)の主だったものを一覧として示します。学習の参考としていただければと思います。
 意味としては、その前置詞を理解する上で最も中心的な意義を示すようにしました。多くの意味があるように見える前置詞であっても、中心的意義からの拡大延長に過ぎませんので、先ずはここに示した中心的意味を覚えてください。

 また語源記述など中学初歩の段階では難しすぎる解説も含まれていますので理解度に応じて活用していただければと思います。なお必ずオンライン辞書などを併用して正しい発音も面倒がらずに確認するようにしてください。(ブラウザのタブ切り替えだけで済むのですから、それくらいの手間を惜しんではいけません)


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1語の前置詞
前置詞 意味、語源、注意点など
a 「1つの〜につき」
An apple a day keeps the doctor away.(諺)
(1日につき1個のりんごは医者を遠ざける)

once an hour 1時間に1回

これらの「a/an」は不定冠詞でありながら語源的には「on」に由来し、意味は「per」と同じで互換性がある。
冠詞(1つの)の意味を表しながら動詞に前置詞的機能を果たしているといえる。
abaft 海事用語。つまりもっぱら船舶関係の表現の中で用いられる一種の専門用語。
「a(=on) + b(=by) + aft(船尾) 」 という語源的構成により、 「(船の)後半部に,船尾(の方)に,船尾付近に」を意味する副詞としてまずある。
前置詞としては「の後ろに[へ],の後方へ;…の船尾に」の意味。
aboard これも本来海事用語の副詞で「a(=on) + board(船側)」の語源のまま「on board 」 としても使われる。
船から他の乗り物などにも拡大使用されている。
前置詞としては「(船・航空機・列車・バスなどの)中へ,中で;(動物の)背に」の意味。
about 非常に意味・用法の広い語だが、語源として「a(=on) + b(=by) + out 」 から成り立っており、 「on the outside of 」 を意味していることを踏まえれば、 すべての用法が容易に把握できる。つまり「何かのすぐ外側に接した状態で」というのがこの単語の中心的意義。

前置詞としての意味「〜について」や副詞としての「約〜」、また構文「be about to (do):まさに〜しようとして」など一見つながりのなさそうな使われ方が、語源を知るとすべて「同じ意味」として理解できる。
above 語源は「a(=on) + b(=by) + over」であり、「〜よりも上に」の意味。
副詞、前置詞として使われる。
absent 形容詞「欠席して」から前置詞に転化されて用いられると「in the absence of; without (〜がなければ、ないので)」の意味。
across 語源「a(=on) + cross」
「from one side to another(〜を渡って、横切って)」の意味が最初にあり、その後「on the other side (as a result of crossing)(向こう側に)」の意味にも使われるようになった。
afore 「a(=on) + fore(=front)」の成り立ちで before の古語あるいは方言。
ただし、海事用語として「船首に」「前方に」の意味でもある。
語源的に副詞が先で、前置詞としても使われることがわかる。
after 「off + -ter(比較級語尾)」から成り立っており、語源的意味意味は「more away, farther off(もっと離れて)」。空間的には「何かを通過して、さらにその向こう側」なので「〜のうしろに」の意味となり、時間的には「〜のあとで」となる。
against 「〜に反して、〜に逆らって」
「again」に古い英語の副詞的属格(所有格)語尾がついた形に由来。
属格語尾は-sだけだが、古い英語の最上級語尾-tの影響により、なんとなく -t が添えられたもの。
along 「〜に沿って」、さらに意味の拡大として「through the whole length of(始点から終点まで)」。
alongside along と sideの複合語。「〜に横付けにして、かたわらに、いっしょに」。
(=along,  by, at, or to the side of)
副詞としても用いられる。
amid 「a (=on) + mid (=middle) > in the middle of」が語源。
「in the middle of; surrounded by; among」と同義。
amidst 「amid」に古い英語の属格語尾がついた形。意味は amid と同じ。
among 「a (=on) + mong (= to mingle:混ざる)」
「in a crowd 群集の中に」が語源的意味。
「(3つ以上の)ものの中に、間に」
amongst among の古い形
an →「a」参照
apropos 「apropos of」の形でよく現れるが1語でも同じように使われる。
フランス語「à propos (= to the purpose)」に由来し、「opportunely(好都合に、適切に、時にかなって」が原義だが、前置詞として「〜関して(の)」の意味。
around 「a (=on) + round」が成り立ち。
「here and there with no fixed direction(決まった方向なく、あちこちで」の意味合いから「…の周りに,を取り巻いて」などの意味に。副詞としても用いられるのは語形から理解できる。
as 「quite so」を意味する古英語「alswa」が語源。もともと so と全く同じ意味で、so との使い分けはまったく慣用による。副詞、接続詞などとしても使い道の広い語。前置詞としては「〜として」が中心。
aside 「a(「分離」を意味する接頭辞)+side」が語源。
語源的には「off to one side(1つの側から離れて)」そこから「away or apart from others, out of the way(他のものから離れて)」の意味となった。前置詞として「〜の他、〜以外に」。
astride 「〜にまたがって、〜に広がって」
「a-(副詞接頭辞)+ stride(大またの足取り)」 が語源。 「stride(ストライド)」は「歩幅」を意味する外来語ともなっている。
「馬にまたがる」は前置詞で表現すれば「sit atride a horse」 で、 副詞で表現すれば 「ride a horse atride」といえる。
at 基本語の1つだが空間・場所を意味しては「狭い1点を指す」気持ちが強く、そこから時間を指して使う場合も特定の「何時何分」という明確な時刻を指す。
同じ場所であってもそこを「広い範囲の中の1点」と感じれば at が使われるが、その場所を広い範囲・空間と見なしていれば in が使われる。
athwart thwart はもともと古い英語で「across」と同じ「〜を横切って」の意味があった。 そこから転じて動詞として「〜を邪魔する(行く手を「横切る」)」の意味になった。(名詞としてはボートの船体を横切るように渡された木の漕ぎ手が据わる場所」を意味する)

副詞接頭辞「a-」がついても「横切って」や「意に反して」の意味だがこれは文語。
前置詞としては道路などをふさぐ様にまたがった状態を指す。

大門や鳥居などが道路をまたぐように作られていることがあるが、人や車はその下を自由に通過できる。これはathward the road ではなく、astride the road 。もし athward the road に何かが建築されているとすると、それは道路を行き止まりにするように作られていることになる。

There is a building across the road.
ある道路と空中交差するような形、または道路の向こう側にあるというだけ。
There is a building atride the road.
道路をまたぎこすような形
There is a building athward the road.
道路をふさいでしまうようにまたがっている
atop a(副詞接頭辞)+ top = on the top of
atop the mountain = on/at the top of the mountain (山の頂上に)
barring bar は「横木、バー、遮断棒」。動詞として「横木を渡す、さえぎる」さらにそれによって「締め出す」や「閉じ込める」の意味にもなる。barring は bar の現在分詞であり、「barring 名詞」を分詞構文と解釈してもよいが、「〜を除いて、〜を除外して、〜がなければ ( = excep  )」の意味の前置詞とも見なされる。
before 語源:「 be(=by) + fore (=front)」
空間的な意味としての「〜の前に、で」が先ずあり、そこから時間的な意味の「〜の前に、で」にも拡張された。
behind 語源:「be(=by) + hind 」
「hind」は「後の」という形容詞で「hind legs」は犬などの「後ろ足」。
behind は空間的に「〜の後に、で」。時間的には「〜より遅れて」。
below 語源:「 be(=by) + low(低い)」
前置詞としては「〜よりも低い位置に」が中心の意味。
beneath 語源:「 be(=by) + neath(=below)」
空間的前置詞としては、何かの下敷きになっていたりする位置関係が中心。

There is something beneath the carpet.カーペットの下に何かある(いる)。

そこから拡大して below と同様に「より下に」の意味にもなる。
さらに抽象的な意味にまで拡大されると「(身分・地位・権力などが)…より低く,より劣って」とか「(期待や理想)に及ばないで」の意味にも用いられる。
between 語源:「be(=by) + tween(=two each)」
「(2つの)間で、〜の間をつないで」
これも空間的意味から時間的意味に拡大される。
My house is between a supermarket and a restaurant.
(スーパーとレストランの間にうちの家がある)
I will visit you between two and three.
(2時から3時の間にお伺いします)
betwixt between の古形
beyond 空間的には「〜の向こう側に、〜を越えて」の意味。
beyoung that mountain あの山の向こう側に
時間に用いれば「past, after(〜を過ぎて)」の意味。
beyond midnight 夜中過ぎに、まで
さらに範囲や限度など抽象的な意味にも使われる。
beyond description 描写のしようがない、描けないほど
beyond doubt 疑いようがない、もちろん
but 「しかし」の意味の等位接続詞が「with the exception of; except; save(〜を例外として、〜以外は、〜の他は)」の意味の前置詞として用いられることがある。本来の接続詞の意味をあくまでも反映させているので前置詞として用いられる表現には制限があり、先に all, any, no などの語が現れるかWho..?/What..? などの疑問文の中で用いられる。

There was no one left but me.
これは接続詞的意味として「誰も残らなかった、しかし私は残った」という流れがあるので butが自然に用いられる。butを純粋な接続詞として
There was no one left but I.
とすることもできるがかなり改まった表現と感じられる。この場合「but I (left)」の述語動詞の省略と見なせる。
by 「near to or next to」が中心の意味。つまり何かの「すぐそば、すぐ隣」という近い位置にあることを示す前置詞。そこから拡大して非常に多くの用法を持つがその用法、意味でも根底には「〜のそばに」がある。期限を表す「(遅くとも)〜までに」や、受動態の行為者を表す「〜によって」など和訳を通してでは一見つながりのなさそうな意味も「のそば」という中心意義の延長である。
circa  ラテン語で、年代などについて「約〜、〜ごろ(に)=about」を意味する前置詞、副詞。
表記では「ca, ca., c., c, cir., circ」という短縮形が用いられる。
concerning 「〜に関して(=regarding)」の意味で堅い表現。
動詞「concern(関与する)」の現在分詞。つながる名詞を目的語とした分詞構文と見ることもできる。
despite ="in spite of, not withstanding"
「にもかかわらず」
「(in) despite of 」という形式もあるが、これはもともと古いフランス語の「en despit de」を逐語的に英語に置き換えたもの。

down 「〜の下方へ、〜の低いほうへ」(⇔up)
during 1、ある期間の最初から最後までを通じて
(throughout the duration, continuance, or existence of)
2、ある期間中におけるどこかで
(at some time or point in the course of)
except 「〜を例外として、〜を除いて、〜以外は」
(with the exclusion of; excluding; save; but)
語源:「ex-(out) + cept (catch):(ルールの)外で捕まえる」
excluding 「〜を除いて」=excepting
動詞「 exclude (除外する、締め出す)」の現在分詞。前置詞と見なしてもよいし、動詞の分詞構文としても解釈可能。
語源:「ex-(out) + clude(=close, shut):締め出す」
failing 「〜がないときは」
(in the absence or default of)
これも動詞 fail (しそこなう)の現在分詞が前置詞と見なされたもの。
 Failing payment, we shall sue.
支払いがないときは法的措置を取ります。
following 「〜のあとで、〜に引き続いて、〜の次に=after」
これも動詞 follow(後に続く)の現在分詞を前置詞扱いしたもの。
辞書によってはこれを前置詞として収録していないものもある。実際、非常に多くの他動詞現在分詞は前置詞と見なせる文脈が多いのでそれらをすべて独立した前置詞の品詞を与えていたらきりがないだろう。
for beforeやforeと関連があり、「〜の前」という意味が本来は含まれている。
実際の意味合いとしては「〜のため、〜を理由として」が中心であり、よい意味なら「…の(利益の)ために,ためを思って(for the sake of)」であり逆のニュアンスとして「〜のせいで、〜が原因で(because of)」となる。基本語彙であるだけに用途、用法が広い。
from もともとは何かが前方に向かって動く様を表す言葉でしたが、そこから「出発点から『離れて』いく」ことに意味が移り変わりました。空間的、時間的な出発点を示す「〜から」に相当します。

基本的に「from A to B」と組み合わせて用いますが、時間的な表現では from January till March のようにtillとの組み合わせも使われます。
in 空間的な意味では「〜の中に(で)」で理解も簡単ですが、時間的に「in ten minutes」 などの表現では注意が必要。これは「10分以内(within ten minutes)」ではなく、 10分という時間を限度としてそれを目いっぱい使った状態を意味するので「10分かけて」や 「10分後」の意味となります。
including 「を含めて(⇔ excluding)」
動詞 includeの現在分詞を前置詞扱いしたもの。
語源:「in + clude(=close, shut):中に入れて閉める」
inside 「の内側で(に)⇔outside」
語源:「in + side」なのは一目瞭然。これは名詞(内側)がそのまま前置詞になったもの。
into 「の中へと」
in to が1語に合体したもの。
like 「〜のように」
mid このlikeを(目的語を取る)形容詞と見てもよい。
minus 「〜を引いた」⇔plus
マイナスはプラスとともに外来語として十分定着しているが、
10-2=8 (10 minus 2 is/leaves/equals eight.)
を構造的に直訳すると「2を差し引いた10は8である」となる。
near 「の近くに(で)」
今では詩などで使われる古語のnigh(近い)という語の比較級に由来。だから「-er」語尾を持つ。
比較級の意味を失い near のまま原級となり、比較級はさらに nearer となるようになった。
notwithstanding 「にもかかわらず、に妨げられることなく」
(in spite of; without being opposed or prevented by)
not-with-standing の複合語なのは見たとおり、直訳すれば「と共に立つことなしに」であり、2つのことが両立しなかった意味だが、この前置詞に導かれる名詞が成り立っていないことを指す。
of offと同源であり、もともと分離が意味の中心だった。現代英語の of のあらゆる意味、用法は「大きな母体からその一部が分離しつつ属性を保っている」という意義が共通している。「〜の」という単純な訳語もそれに含まれる。
off 「〜から離れて」
もとは「of(分離の用法)」の強調形。「of」の方は幅広い意味合いに展開したが「off」は原義に今でも忠実といえる。
on 「〜と接触して」
今では in と on ははっきり違う意味に用いられるがもともとin, into の弱まった形がonであり、現代英語でも「1つの〜につき」の「a」には on を語源とする意味が残っており、同じく on を語源とする接頭辞 a- は広い副詞の意味を与えている。
onto 「〜の上へと」
on + to が1語になった形。
opposite 「〜の向こう側に、〜と向かい合って」
opposite to としても用いられる。
語源:「ob-(=against) + pose(=put, set)」で「placed on the other side of (something)」の意味。
out 「〜から外へ」
out of の形でも。out単独で前置詞とするのはアメリカ英語。
outside 「〜の外で、外側で」⇔ inside
over 「〜の真上に、〜を越えて」⇔ under
印欧基語では uper の語形だったと考えられており、これは super とつながる。
past 「(時間)〜を過ぎて」、「(空間)〜を過ぎたところに」
pass(通過する)と同源。passed という過去形・過去分詞と発音が同じでもあり、 英語ネイティブでさえpast/passedの使い分けがうまくできない人が少なくない。前置詞のときはpast。
per 「〜につき、〜ごとに」(日常的には「a/an」)
もともとは「through, during, by means of, on account of, as in」の意味で、この意味としては現代でも「as per request(ご要望により)」の表現に生きている。
plus 「〜を加えて」⇔minus
5+3=8 (Five plus three is/equals eight.)を構造に忠実に直訳すると「3を加えた5は8である」。
regarding 「〜に関して」(ビジネス英語でよく用いられる形式ばった表現)
= with regard to, respecting, concerning
これも動詞 regard の現在分詞由来。
round 「〜の周りに、〜を取り巻いて;〜を回って」
アメリカ英語では around がround との区別なく用いられ、イギリス英語にもその影響が広がりつつあるとのこと。
sans 「〜なしに(=without)」
フランス語からの借用語。英語風に[ s?nz ] とも発音するがフランス語風 [ s??n ]と鼻母音で語尾の-sを抜かして読む人もいる。
save 「〜の他は、〜は別として」形式ばった表現
= except, but
since 「〜から、〜以来ずっと」
(continuously from; between a past time or event and the present)
from が単純に起点を示すのに対して、sinceは過去からの継続を意味する。
than 「〜よりも、〜と比べて」
※前置詞のthan はもっぱら文語であり、口語では常に接続詞の用法のみ。
文語体としては常に目的格関係代名詞を従え次のような言い回しで現れる。
a person than whom none can sing better
(誰人もかなわない歌唱力を持つ人)

He runs faster than me. のように用いるのは本来の前置詞としてではなく、接続詞用法の誤用であり、俗語的。(He ran faster than I (do).が正しい)
He loves you than (he loves) me. のように接続詞のあとの省略結果として目的格代名詞が残ったとしても than は接続詞である点に注意。
through 「〜を通り抜けて」
道路標識などでは thru のスペルも見られますが through という一瞬で読み取りにくい複雑なスペルを避けた非公式な書き方。
throughout 「〜の最初から最後まで、終始;〜の至るところで、〜のそこらじゅうを」
こういうoutには「徹底的に」の意味がある。
till 「〜までずっと」 untilより口語的
times 「〜の倍数の、〜を掛け合わせた」 参考:plus, minus
数式の「×」の読み方としては 「times」 と「multiplied by(よりフォーマル)」がある。

3x4=12 Three times/[multiplied by] four is/equals twelve.
構造に忠実に直訳すると「4を掛け合わせた3は12である」となる。
to 「〜へ、〜まで、〜に対して」⇔from
原義は「〜の方向に向かって、〜の目的のために、〜のさらにその上に」。
toward 「〜の方向へ向かって」
walk to school だと「学校に着くまで歩いた=歩いて学校まで行った」意味まで含むが「toward(s)」は到着までを意味に含まない。
towards =toward
under 「〜の真下に、〜の表面下に」⇔over
underneath 「〜の表面下に、〜の底面に」
below the surface or level of; directly or vertically beneath; at or on the bottom of
unlike 「〜とは違って」
語源:「un-(=not) + like(似ている)」
until 「〜までずっと」 tillよりフォーマル。特に文頭などではUntilの方が(発音が明確なため)好まれる。
unto to と同じ(古い英語)。
ただし不定詞の前には用いない。
up 「〜の上へと、〜の高いところへ」⇔down
upon 意味は on と同じ。on より古めかしく感じる語だが、それでも upon の方が好まれて用いられる場面もある。
「on」を強調した意味で使うとき。また「once upon a time」など決まり文句の中ではonは使わない。
逆に「on 曜日(Monday, Tuesday, etc)」など upon を使わない決まり文句もある。
versus 形式ばった表現。「〜に対する、〜と対比して」
語源的意味は「urned toward or against」。語幹の「verse」はラテン語で turn の意味。(reverse, universeなどにも含まれる)
via 「〜を通って、〜を経由して」=by way of
viaはラテン語で「way」の意味。 「トリビア(trivia):ささいな知識、つまらない知識」は「tri-(=three)+via(=way)」であり、 「3本もの道が交差している人通りが大きい場所で話して他人に聞かれても別に構わない話」の意味から。
with 「〜と一緒に、〜を伴って、〜を使って」⇔without
within 「〜の範囲内で、〜以内で」
「3日以内に」は within 3 days。これを「in three days」というと「3日後」 の意味なので注意。
without 「〜なしに、〜抜きに」⇔ with
worth 「〜の値打がある、〜だけの価値がある」
「like(〜のように)」と同様、本来形容詞だが目的語を取るので前置詞と見なす考え方もある。
2語からなる句前置詞
according to 「〜によると」
according to the newspaper 新聞によると
ahead of 「〜の前方に」、「〜より先に」
I see a tall building ahead of me.前方に高いビルが見える。
apart from 「〜は別として、〜はさておき」
Who else can do it apart from you? 君の他にできる人は?
as for 「〜に関しては、〜はどうかというと」
as for me 私についていうと
as of 「〜現在、〜の時点では」
as of March 14 3月14日現在では、3月14日付けで
as per 「〜に従って」
as per request ご要望により
aside from 「とはまた別に」
income aside from the salary 給料とは別の収入
because of 「〜が原因で」
because of the heavy rain 大雨のために
except for 「〜がなかったなら、〜を除けば」
All the students passed the exam except for Tom.トム以外全員合格した。
far from 「〜から離れて:まるで〜ではない」
She was far from happy. 彼女はまるで幸福なんかではなかった。
inside of 「〜以内に、〜足らずのうちに」
He quit the job inside of a month.1ヶ月もせずに仕事を辞めた。
instead of 「〜の代わりに、〜しないで、〜どころか」
(これは特殊でofが名詞だけでなくto不定詞や節まで導くことができます。)
As it was raining, I went to the movies instead of swimming.
雨が降っていたので泳ぎにいく代わりに映画を見に行った。
He explained why he did it instead of how he did it.
彼はそれを行った方法ではなく理由を説明した。
near to 「〜に近く」
Come near to me so I won't have to shout.
私が叫ばずにすむよう、近くに来なさい。
next to 「〜の隣に、〜に次いで、ほとんど」
Please sit down next to me.私の隣に座ってください。
That is next to impossible.そんなことはほとんど不可能だ。
out of 「〜外へ、〜の中から」
Look out of the window.窓から外を見なさい。
outside of 「〜以外は、〜のほかは」=excepting
No one arrived in time outside of me.
私以外誰も時間に間に合って到着しなかった。
owing to 「〜のせいで、〜のおかげで」=because of
The plane has been cancelled owing to the strike.
ストのため飛行機はキャンセルになった。
prior to 「〜より前に、〜に先立って」=before
Passengers boarded the plane 30 minutes prior to the departure.
乗客は出発30分前に飛行機に搭乗した。
pursuant to 「〜に応じて」 
persuant to your request 要求に応じて
regardless of 「〜に関係なく」
I will buy that regardless of the price.
値段が高くても(価格がどうであれ)それを買う
subsequent to 「〜に引き続き、〜に続いて」
Subsequent to the conference, a small party was held.
会議に引き続いて、ささやかなパーティが催された。
thanks to 「〜のおかげで」
Thanks to John, I had a narrow escape.
ジョンのおかげで九死に一生を免れた。
up to 「最大〜まで」
up to five people 5人まで
3語からなる句前置詞
as far as 「はるばる〜まで、〜までも遠くへ」
He went as far as Tokyo to buy that.
それを買うため東京まで行った。
as well as 「〜も同様に、〜だけでなく」
She is intelligent as well as beautiful.
美しいだけでなく頭もよかった。
(as well as は形容詞も「引用語」のように名詞扱いで導ける)
by means of  「〜を用いて、〜を手段として」
We communicate by means of language.
我々は言語によって意思疎通を図る。
for the sake of 「〜のために(動機、利益、目的)、〜のためを思って」
I am doing this job for the sake of money.
私は金のためにこの仕事をやっている。
in accordance with 「〜に合わせて、〜に一致して、〜の通りに」
紛らわしい他の句前置詞と対比した例文を示します。
According to the rules, this person should be fired; and in accordance with the rules, they fired him.
規則によればこの人物は解雇されなければならないことになっている。そして規則によって会社は彼を解雇した。
in addition to 「さらに、その上」
He bought a car in addtion to a house.
彼は家だけでなく車まで買った。
in case of 「〜の場合は」
in case of emergency
緊急の場合は
in front of 「〜の前に」
There is a park in front of the station.
駅の前には公園がある。
in lieu of 「〜の代わりに」=instead of
He received cash in lieu of vacation.
彼は休暇の代わりに現金を受け取った。
in place of 「〜の代わりに」=instead of
I used margarine in place of butter.
バターの代わりにマーガリンを使った。
in point of 「〜に関して」=in reference to
in point of fact
実際のところは
in spite of 「〜にもかかわらず」
He went out in spite of the heavy rain.
大雨なのに出かけて行った。
on account of 「〜の理由で、〜のせいで(形式的)」=because of
The shop was closed on account of the power failure.
停電のため店は閉まっていた。
on behalf of 「〜のために、〜に代わって」
I am calling on behalf of my sick mother.
病気の母に代わって電話しています。
with/in regards to 「〜に関しては」
He did not answer with regards to the second query.
彼は2番目の質問については答えなかった。
with respect to 「〜に関しては」=referring to; concerning (イギリス英語:in respect of)




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