かぶせ音素(9)抑揚(2)-内部連接

 「抑揚」には「ピッチ」と「連接」があります。「ピッチ」は声の高低のことですが、ここで学ぶ「連接」は文章を読むときの緩急や切れ目のことです。

 文章の末尾には常にはっきりした切れ目が現れますが、文中であっても、意味的な区切りによってはわずかな切れ目や、スピードの変化が現れます。「末尾連接」と「内部連接」のうち、「内部連接」を先に学ぶことにしましょう。

 現実の音声は、強弱、高低、さらに緩急が複雑に組み合わさって意味を伝えています。これらを十分に理解し、自らも練習することで、意味の伝わりやすい適切な発音が身につき、さらに聞き取りも上達します。発音学習もいよいよ大詰めです。このあたりまで来ますと、これまでの基礎的な理解や練習が、いかに重要な積み重ねとなっているかを実感することでしょう。

 「発音」といえばただ音読を繰り返すだけ、「聞き取り」といえばただ英語の音声に耳を傾け続けるだけで上達できるかといえば、決してそうではなく、上達するための大切なポイントが沢山あることを納得していただけることかと思います。

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かぶせ音素(10)抑揚(3)-末尾連接

 文章の末尾や文中のはっきりした区切りに現れる声の「上げ、下げ、水平」のことを末尾連接といいます。文字に表してまったく同じ文章でも、末尾を上げて読むか、下げて読むかで聞いたときの印象も大きく変わりますし、意味自体が違ってくることもあります。  母音、子音といった1つ1つの音素の練習からスタートし、ここまで実に多くの内容を学習、練習してきました。英語の発音についても体系的な知識や理解が、効率的な技能の向上にとって非常に大切であることを理解していただけたことと思います。  英語は「聞き流すだけ」では決して上達しません。しかし、ここで学んでいただいた基本の上に、これから先は沢山の英語音声に触れるということもきわめて重要です。何も基本を学んでこなかった人にはちょっとした音声学的現象も気づかずに聞き流されてしまうことでしょうが、皆さんの耳はすでにかなりのレベルまで鍛えられていますので、これまで学んできた様々な音声学的現象にあちこちで気づくことになるでしょう。  知識を身につけただけで発音が上達するわけではありません。技能は訓練と経験によって磨かれます。正しい知識や理解のない経験は訓練としての価値があまり高くありませんが、皆さんはこれからの経験を速やかに自分自身の技能に取り込んでいける素地ができています。  本サイトの内容を折に触れて復習しつつも、今後は沢山の英語音声に触れてください。確かな基本を固めた皆さんだからこそ、今後は「聞き流すだけ」の時間も重要になってくるのです。


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