かぶせ音素(7)「英語のリズム」

 日本語には、俳句や短歌に見られる「五七調」という独自のリズムを持っています。これは日本語という言語が持つ音声学的な特質によるものですが、同じように英語には英語のリズムがあります。

 簡単な英語の詩を通して、英語ネイティブが「読んで心地よい」と感じるリズムはどのように作られているのかを学びましょう。

 たとえ日本人として一定の年齢以上になってから英語を学び始めた人も、これまでに学んだ英語音声学の基本から丁寧に理解と技能を積み重ねていくことで、英語ネイティブに劣らない言語感覚を身につけることは十分可能なのです。この「基礎からの積み重ね」が発音の上達にとっていかに大切であるかを皆様はすでに痛感していらしゃることでしょう。緻密な理解と納得、そして訓練なしに、ある日突然英語が話せるようには決してなりませんし、「聞き流すだけ」のような安易な取り組み方で身につくほど英語は簡単ではありません。本気で英語の上達、それもビジネス現場で十分通用する高度なレベルに達しようと志すのであれば、「学ぶべきこと」を学び「やるべきこと」をやるしかなく、それが本当の近道だと認識してください。

 なおこのビデオでは難しい音声学の話だけではなく、小中学校での指導にも活用できる練習方法も紹介しています。現場で是非ご活用ください。

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かぶせ音素(8)抑揚(1)-Pitch

 「かぶせ音素」は大きく「強勢」と「抑揚」に分けることができます。これまでは「強勢」を中心に見てきましたので、ここからは「抑揚」について学びます。   「抑揚」というと一般的には声の高さだけを指して用いられてますが、音声学でいう「イントネーション(Intonation)」には「声の高さ(pitch)」と「緩急・切れ目(juncture)」が含まれます。

 ここでは抑揚のうち「Pitch」に焦点を当てて学びます。
 「強勢」は声の大きさを指しますが、それに対して「ピッチ」は声の高さを意味します。

 日本語の感覚では、声の高さと大きさを切り離して使いこなすことが難しく感じられるかも知れません。しかし、「高い音」を「小さく」出すこともあれば「低い音」を「大きく」出すこともありえます。

 たとえばピアノの鍵盤は左ほど低い音、右ほど高い音が並んでいますが、低い音を強く弾くこともできますし、高い音を小さく弾くこともできるように、実際の英文でも「低い音を大きく」出したり、「高い音を小さく」出す場合もあります。

 さまざまな例文を通じて、どのような場合に高い音、低い音が使われ、どのような場合にそれらが強く、あるいは弱く発音されるのかを理解しましょう。


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