かぶせ音素(3)「文強勢の基本」

  いよいよ文章まるごとについての読み方に入ります。複合語がアクセントの位置によって意味が変わってしまうように、文字にして同じ英文であっても、読み方1つで様々な意味を表すことができます。「発音」と「文法理解」の密接な関係についても学びます。

 これまでに培った発音の基礎が、いよいよ長文読解力の向上や、英文の表現力に結びつく段階に入ります。実技面においても、電話応対など音声しか頼りにできないコミュニケーションで、どのような点に留意しながら話したり、聞き取ったりすればよいのかも、この「文強勢」の理解がそのコツを教えてくれます。

「かぶせ音素」は英語の発音のための知識でありながら、そのまま文法の理解力に直結するのです。

 音声変化によって1つの英文に様々な意味・ニュアンスを与えられるようになりますと、会話での表現力が格段に高まります。話をしているときも、「自分の言いたいことが、英語の音声に乗せられて、自分自身の言葉として発せられる」という自覚が持てるようになります。よどみなく滑らかな発音で、快適に英文が読めるようになりますので、英文を読むこと自体が楽しくなり、学習効率も飛躍的に向上するようになりますよ! 単語を覚えるのも、少し長めの英文を暗唱するのもぐっと楽に感じます。

 基礎音声学として段階的にここまで学んできた方ならば、「ただ多くの英語に耳を慣らせば自然に発音が上達する」というものではなく、体系的な理解と適切な訓練があってこそ、効果的な上達が可能であることをご納得いただけることでしょう。

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かぶせ音素(4)「文強勢の実例」

  前回のビデオの発展的内容として、さらに多くの例文を通じ、話者の心理がどのようにして音声に反映されるかをつぶさに解説します。

 1つの英文の基本的な読み方を知り、その上で特殊な文脈や強調したいことがらによって他の読み方もできるようになります。いかなる英文も、必ず「どのような状況の中で使われる」かを具体的にイメージし、生きた言葉として英文を口にしましょう。

 文章全体の発音練習の段階に入りますと、習得に不安のある単語や「母音、子音」の発音がおろそかになりがちですので、必要に応じて過去の解説に戻って基本を固め続けてください。

 「子音・母音」が正確に発音でき、適切な音節の区切り方や正しいアクセントを見につけ、「連結、脱落、同化」といった読み方の基礎の上に、英文の意味と音声がイメージとして一致してくるようになりますと、これまで学んだ「英文の読み方」が、洋画の中の英語ネイティブの発音などに実際に生かされていることに気づき始めます。生の英語から多くを学べる基本が固まってきた証拠です。このレベルに達しますと、英語ネイティブとの会話実践も大変価値的で有効なものになってきます。

 さらに同じ英文でも、友人同士のくだけた口調から、職場の上司や顧客に対して話すときのフォーマルな口調までコントロールすることができるようにもなります。

 英語の映画を字幕を見ないで見ていても、以前よりはるかに理解力が高まっている自分に驚くことでしょう。こうなれば、もうあなたの上達を妨げるものはありません!


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