子音 / j /

Consonant j

 この発音記号は通常のアルファベットの「 J 」の小文字に見えますが、音としての意味は /i/ を子音化したもの、つまりローマ字の「 y 」子音に相当します。J の文字は歴史的にはもともと同じ文字から分かれたもので「 I 」が母音を、「 J 」が半母音(母音的性質を帯びた子音)」を表して使い分けられていたということですから現代英語の「 J 」が jet や Japan で /dʒ/ という子音を表して用いられるよりも「 y 」子音を表す用途がもともとだったともいえます。

 発音記号の上では Japan の J が表す子音は /dʒ/ という2文字の組み合わせにより、 /d/ の破裂と /ʒ/ の摩擦が瞬間的に連続する「破擦音」なので区別してくだ さい。

 さて現代日本語の「や行」は「や(い)ゆ(え)よ」となっており、「や、ゆ、よ」以外ではすでに子音が脱落し、母音のみでの発音となっていますが、英語ではどんな母音の前にも /j/ は現れますので、特に「 east /íːst/ 東」と「y east /jíːst / イースト菌」のような違いには注意してください。使用頻度の高い日常語である「 yes 」にしても「イエス」という仮名表記の発音とはかなり違います。

 発音の要領としては舌の緊張が強く固い音質の /íː/ に似ていますが、下の中央付近を上顎のぎりぎりまで近づけ、唇の両側を左右に引いて音を出します。まずは子音 / j / のあとに日本語の「あいうえお」を添えて / ja, ji, ju, je, jo /を言ってみましょう。現代日本語では「い、え」でしかない音も英語の子音を脱落させないように。また「いい、いえ」のような2音節にしてしまわないように注意してください。

/ j / を含んだ単語の例:

 yard / jɑ́ːrd , jɑ́ːd /中庭;ヤード(単位)
 yield / jíːld /譲渡する
 yeast / jíːst /こうじ酵母、イースト菌
 you / júː /あなた
 yes / jés /はい
 yet / jét /まだ
 young / jʌ́ŋ /若い


/j/ の発音


子音 / w /

Consonant w

 発音記号の学習も最後の1つとなりました。
 前の /j//i/ の子音化したものであるのに対して、この /w//u/ が子音化したものです。やはり「半母音」であり、母音的な性質を帯びた子音です。

 /u/ でも唇を丸めますが、その丸みをもうこれ以上小さくできないというくらい唇の筋肉に力を入れて狭くしてください。舌は付け根あたりが持ち上がります。母音 /u/ では唇が丸められますが、その丸みによる狭さは「障害物」になりません( だから「母音」です) が、 /w/ を発音するときの極端な丸みの強さは声が通過する上での「障害物」になるので /w/ は子音なのです。

 日本語の「や行」が「や、ゆ、よ」しか子音を伴った音が残っていないのに対して「わ行」はもはや「わ」しか子音を伴った音が残っておらず、ローマ字変換では wo とタイプすることで「を」になりますが、「を」は実質的に「お」と発音区別がされていません。これも「 wa, wi, wu, we, wo 」とすべての母音を添えてみて、子音 / w / がちゃんと出せているかを確認してください。特に「 wu 」が、ただの「う」ではなく「ごく小さく丸めた唇で出された子音のあと、その丸みをふっと大きめにするという動き」になっているかを自覚して発音しましょう。「ウッド」や「ウール」、「ウルフ」など外来語として定着してしまっている言葉ほど、日ごろの音に対する思い込みが働きやすいので特に注意してください。

/ w / を含んだ単語の例:

 wood / wʊ́d /木材
 wool / wʊ́l /羊毛
 wolf / wʊ́lf /オオカミ 
 wear / wɛ́ɚ , wɛ́ər /身につけている
 win / wín /勝つ
 way / wéɪ /道;方法
 wall / wɔ́ːl /

注意:

  1. wool は外来語で「ウール」と伸ばしますが、英語では短母音です。

  2. wolf には「 Dark-L 」の音があります。発音要領を忘れた方は、/ l /に戻って確認しましょう。

/w/ の発音


英語ネイティブはどのように発音を学ぶのか

 日本人が国語を学ぶとき、特に漢字では「読めない文字」が当然あります。その読み方は平仮名にって「読み仮名」が振られていれば知ることができます。平仮名の文字をどう発音するかは前提知識・技能として、日本人向けの国語辞典には解説されていません。

 英語ネイティブだからといって、すべての英単語を正しく読めるわけではありません。英語ネイティブもより多くの単語を学ぼうと様々な苦労をしており、英語ネイティブ向けの「語彙力を増やそう」とか「正しい文法を使おう」という趣旨の書物は多くあり、長年に渡るベストセラーになっているものも少なくありません。英語文化ではスピーチやディベートの実理性が重んじられますので、多くの単語を適切に使いこなすことへの問題意識は非常に高いものがあります。

 新たな単語を覚えようとするとき、単語のスペルだけからは正しい読み方やアクセントの位置を判断するのは英語ネイティブであっても困難を感じます。そういう「読み方の分からない単語」に出会ったときに引く辞書(英英辞典)、あるいは語彙力増強を目的とした書籍やワークブックの中で、単語の読み方を示す方法としては、私たちがこれまで学んだ IPA (国際音標文字)によることも多くありますが、日ごろからアルファベットを使っている英語ネイティブにとって、発音記号という日常的でない特殊記号を一から覚えるのは億劫にも感じます。

Instant Word Power

 そこで「英語ネイティブであれば、思わずこう読みたくなる」というスペルのパターンを利用して、規則として覚えることを最小限に抑えた発音表記が用いられることもあります。皆さんもこの先学習が進んで英語ネイティブが読むような英語で書かれた語彙力増強のための本を手にすることもあるでしょう。そういう書籍の中には、私たちが学んできた発音記号とまた違う発音の示し方がしてあったりして「せっかく発音記号を覚えたのにまた別の種類の記号を覚えるのが大変」だと思うかも知れません。しかし、そういう「英語ネイティブの読み癖」を活用した発音表記方法を通じて、「こういうスペルを見ると英語ネイティブはまずこう読みたくなるものなんだな」という傾向性を知ることもできます。

 アメリカ人向けの語彙力増強のための書籍として古くから定番と言われている「Instant Word Power(Norman Lewis著)」では、次のような発音表記方法が用いられています:

(1)子音を表す文字
B as in BAT( B は BAT に使われる B の読み方)
D as in DO ( D は DO に使われる D の読み方)
F as in FUN( F は FUN に使われる F の読み方)

などほとんどは文字通りで迷うことはないのですが、TH が無声音なのか有声音なのかは文字だけでは区別がつかないので、上に横棒を引いて有声音を示すなど、多少は追加の工夫もされています。また

ZH as in LEISURE( ZHはleasureに含まれる / ʒ / の音)

 といった表記方法も使われています。
 leisureをこの表記にすると (LEE’-zhər) となるわけです。私たちが学んだ発音記号なら / líːʒər / ですね。

(2)母音を表す文字
A as in MAT
E as in LET
I as in HIT
O as in HOT
U as in HUT

と、最も典型的な読みのパターンを踏まえつつ、

Ī as in HIGH
Ō as in GO

といった区別は臨時記号で表現されています。

AH as in FATHER
AW as in LAW
EE as in FEEL
OW as in HOW
OY as in BOY

などはある種のスペルから優先的に思い浮かべられる読み方が伺えます。つまり law の aw というスペルを見れば英語ネイティブならまず / ɔː / という読み方をしたくなるものなのです。

OO as in FOOT
ŌŌ as in FOOD

同じ「OO」のスペルでそれが短母音か長母音かも臨時記号で区別されています。

 唯一、曖昧母音 / ə / だけは IPA と同じ記号が用いられており、こればかりはどんな母音文字でも「ついそう読みたくなる」ものが見当たらないこともわかります。上記のような表記で単語の読みを知ることができるのは、「あの単語のあの部分と同じ発音だよ」と言われれば「ああ、そうか」と納得できる英語ネイティブだからこその素養が背景にあります。

 このように英語話者が思わずそう読みたくなる傾向性を利用した「英語の読み仮名」によれば次の単語はこう表現されます。単語のスペル、英語の読み仮名法、発音記号を比較してみてください:

 単語Phonetic AlphabetIPA
 working (WURK’-ing) / wə́ːrk-iŋ /
 expedite (EKS’-pə-dīt) / éks-pə-dait /
 septugenerian (sep’-choo-jə-NAIR’-ee-ən) / sèp-tju-dʒə-nɛ́ər-i-ən

 発音記号で /j/ は子音 y の音ですが、英語ネイティブ向けの「読み仮名」では j は JET の j です。またアクセントについては、音節を大文字で示し、なおかつ音節末尾に「’」符号をつけて第1アクセントを示しており、第2アクセントは音節が小文字で書かれているという違いになっていて、これは目で見て直感的に「ここを強く読む」という印象を与えていますね。

 これまで多くの発音記号を覚えていただきましたので、何もその上に別の発音表記方法まで追加で覚えていただこうとしているわけではありません。ここでは、英語ネイティブであれば、「あるスペルから優先的に連想される音」というものがあり、それはすなわち「スペルと発音の関連性」が一定の範囲内ではあるが認められるという事実を物語るものでもあります。

 先の述べました通り、英語ではスペルと発音の対応が実に不規則で「このスペルは常にこう読む」と言い切れないところがあります。それでも、特定のスペルからは優先的に思い浮かぶ読み方と言うものが確かにあり、その期待を裏切るような特殊な読み方は「例外」と感じれば、スペルの習得もかなり楽になるでしょう。

 なお英語ネイティブは耳だけから自然に英語の発音の仕方を覚えるのかと言いますと、上の歯と下唇の摩擦で出す / f/v / や、歯と歯の間から舌を出す / θ/ð / などはその発音をする大人の口元を眼で見て真似ています。決して耳だけからすべての音を聞き分け、自分でも発音できるようになっているわけではありません。そういう発音の指導を大人が子供にするシーンがセサミストリートの中にも出てきました。

 これまで英語の発音記号を一通り学んで来ましたが、これで英語の文章を自然に読めるための最も重要な基礎ができました。しかし、まだ不十分です。「どんな音を出すのか」を学んだその上に「どういうふうにその音を出せばいいのか」という別の角度からの理解・練習をする必要がまだあります。

 それについてはこの先、「様々な音声学的現象」という章の中でビデオによって詳細に学んでいただきますが、その前に次の項で、英語における「つづりと発音の関係」を見ておきましょう。ここでお話した「英語ネイティブなら思わずこう読みたくなる」という傾向をいくつかのパターンにまとめましたので、「話す、読む」と平行し「書く」力の基礎もここで身につけたいと思います。

つづりと発音の関係

 英語は多くの外来語を含んでいると同時に、そのスペルも外来語のものをそのまま取り込んだものが多く、結果として複数言語のスペルのパターンが混ざっており、つづり(スペル)と読み方(発音)の対応が実に不規則になってしまっています。

 それでも日常的に英文に多く接しているとあるスペルについては「思わずこう読みたくなる」という原則的なパターンというものが感覚として身につきます。何が原則で何が例外的なのかを知ることは、「書く」基本を効率よく高める上で大切なことです。

 次の例を見てください:

 pat / pæt /
 pit / pɪt /
 put / pʊt /
 pet / pet /
 pot / pɑt, pɒt /

 これらの例に共通しているのは単語の末尾が「短母音+1文字の子音」ということです。このようなパターンで母音文字は

 a = / æ /
 i = / ɪ /
 u = / ʌ /
 e = / e /
 o = / ɑ , ɒ /

 と発音したくなるのが原則的傾向性です。

 ところで a, e, i, o, u を「アルファベットの名称」として読むとどうなりますか?

 a = / eɪ /
 i = / aɪ /
 u = / juː /
 e = / iː /
 o = / oʊ /

 ですね?これら「アルファベットの名称」の読み方はいずれも「長い母音(伸ばす母音か2重母音)」となっていることに気づいてください。そして次の例をみていただきます:

 cake / kéɪk /
 line / láɪn /
 cute / kjúːt /
 hole / hóʊl /
※「e」だけはこのパターンが当てはまらないので除外します。

 今度は例としてあげた単語に共通しているのは「1文字の母音字+子音字+読まない e 」という末尾になっているということです。このようなスペルを見ると、英語になじんだ人ほど、末尾の「e」は「読まない」と理解し、それと同時に子音文字の直前の母音字を「アルファベットの名称」と同じ長母音で読みたくなるものなのです。

 ある単語の読み方を踏まえて他の単語の読み方を類推するということは、日本人の英語初学者でも無意識に行っているのではないでしょうか。

 「cake」を / keɪk / と発音するのであれば、「take, make, lake, sake, fake, rake, bake, shake, wake」の読み方も最初の子音だけを取り替えるだけでよいだろうと誰もが考えるところです。他の単語についても同様のパターンでの類推ができます。(意味を知らない単語があっても気にせず、読みのパターンを学んでください。)

 line: wine, mine, nine
 cute: mute, lute, cute
 hole: role, pole, sole

 ところで、「動詞に -ing をつける」方法として次の決まりごとをご存知ですね:

  1. 末尾に読まない「e」があるときはそれを外して-ingをつける。
  2. 単語の末尾が「短母音+子音」で終わっているときは、末尾の子音文字を重ねてから-ingをつける。

 英語の原則的な「読み癖」というものが分かると、なぜこのような「書くときの約束事」があるのかも理解できます。

 1のルールがあるのは「 take 」のような語にそのまま -ing をつけてしまうと「 takeing 」となり「 -ei- 」という母音文字2文字の連続がその箇所を「長い母音」で読ませるような印象を受けるため、「 e 」を外して「 taking 」としないと /téɪkɪŋ/ とは読みづらいからですね。

 一方「 cut 」という単語に、もしもそのまま「 -ing 」を付けると「 cuting 」というスペルになりますね。英語話者がこのスペルを見ると思わず /kjúːtɪŋ/ と発音したくなてしまいます。(こんな単語があるのかないのかは、ここでは問題にしません。)それは1のルールによって「もともとそこには e があった」と感じるため、u の部分を長母音で発音したくなるからです。だから「 cutting 」と子音を重ねて、u の部分の「読み間違い」を防止しているわけです。

 すなわち英語における「スペルの規則」は英語話者の読み違いを防ぐための配慮から設定されたものなのです。あるスペルを見て「思わずこう読みたくなる」という傾向性自体を持ち合わせない日本人の英語初学者にとっては、「読み違いを防止する配慮」もピンとこないかも知れませんが、英語に慣れるほど、自分でもつづりからとっさに連想される読み方というものを感じるようになるでしょう。

 「正しい読み方がしやすくなる」ことを目的としたスペルの決まりごとは他にも色々あります。

 I study English.
 He studies English.

 述語動詞 「study」 に -s をつけるときは「 studys 」とはせずに「 -y を -i に交換してから -es をつける」と習いましたね。これもまた「 studys 」というスペルだと /stʌ́daɪz/ という読み方をしたくなるため、自然に /stʌ́diz/ と読みたくなるスペルに変えているわけです。

 英語ネイティブもスペルの間違いをします。読み間違えることもあります。見慣れない単語の発音の想像がつかないことだってあるのです。しかし、幼いころから学校の教科書をはじめ多くの文書に接することで蓄積される「単語の読み方」に関する経験が、ある種のスペルからはこう読みたいという感覚が実についています。このような「英語ネイティブ的感覚」は日本人であっても、努力次第で同様に身につけることができます。また、英語ネイティブであっても、文字に書かれた文章にあまり接していないとか、自分でも文章をあまり書かない人などは、その感覚が養われておらず、日本人の英語初学者と変わらないスペルミスを普通にしてしまうものなのです。

 「聞き取る、話す」といった音声的感覚に関しては、生まれてからずっと英語の音声に囲まれて育った英語ネイティブに追いつくためには、それ相応の努力と時間を要しますが(それでも不可能ではありません)、文字表記に関する感覚は、ずっと短い時間でネイティブ並のものが得られます。そのためには:

(1) 英単語を日本語のローマ字的に読もうとしない
(2) 辞書を引く手間を惜しまず、発音記号を常に調べる
(3) 発音記号をスペルをよく比較して、その部分にどの発音が対応しているかを観察する  といった習慣を身につけることです。

 英語が上達する人かどうかは、客観的に「辞書を引くときの様子」を見ていると分かります。英語が上達するタイプの人は、1度辞書を開くとそのページをなかなか閉じません。1文の中に使われている英和辞典の意味を1つ見つけただけでは終わりとせず、発音記号でじっくり読みを確認し、その場で自分の発音を練習しますし、単語の意味も上の方に書かれている1つ2つを見るだけではなく、一度はすべての意味を通読し、その単語の「全体像」を把握するように努めます。また例文を読み、自分でもその単語が使えるようになろうとしますので、1つの単語を辞書で引くと、ページを開いてから閉じるまでの時間がかなりかかります。

 一方、英語があまり上達しないタイプの人が辞書を引くと、発音記号には目もくれず、例文も読まず、最初の方に書かれている「和訳例」を1つ見たら、「できるだけその場から早く逃れたい」かのように即座に辞書を閉じてしまいます。別に辞書のページを開けっ放しにしておいても何の害もないのですが、不思議と「辞書を開いてもすぐ閉じてしまう」傾向性が観察されることが多いのです。

 「単語が身につく」というのは「人と知り合う」ことに似ています。日ごろの生活の中で何度も出会い、出会うたびに少しずつ相手のことが深く分かってきます。最初は名前を覚えるだけ、顔を覚えるだけから始まり、出会っては別れを繰り返しつつ、相手の性格や行動パターンなども把握できてきます。単語も同じで、スペルという顔と読み方という名前からまず覚え、文章中での使われ方という性格や行動パターンを、書物のあちこち、風景の中のあちこちで同じ単語に出会うたびに理解を深めていくわけです。日常的な単語ほど「出会う回数、頻度」が多いので、「親しい友人」となっていきますが、「辞書」という詳しい自己紹介をじっくり読んで上げることで、相手を深く知る時間がぐっと短くなるのです。

 かつては分厚くて重たい辞書を本棚から引っ張り出してきて、多くの単語から苦労して目的の単語を見つけ出し、小さな文字を目を凝らして読む必要がありましたが、今ではインターネットのオンライン辞書で、即座に単語検索ができますし、文字の大きさも表示倍率を自在に調整し読みやすくできます。加えて、ブラウザのタブを複数使って何冊もの辞書を同時に引き比べることだって容易にできるのです。同じことを紙媒体の辞書でやろうとすれば、机の上が辞書で一杯になりますし、1冊でも高価な辞書ですから、英和、英英、語源辞典など様々な種類の辞書を買い揃えるのは金銭的にも大きな負担でした。

 オンライン辞書には音声サンプルが聞けるものも多く、発音記号を実際の音声でどう読むのかを適切に実感させてくれます。上達意欲さえあれば、発音もスペルも文法も短期間で極めて効率的、効果的に上達することが可能になっています。しかしそういう現代文明の恵まれた学習環境でさえも、「正しい活用法」を知っていてこと恵みとなるものです。だからこそ本書では「英語の学び方」、「学習の指針の立て方」、「感覚養成のための具体的訓練方法」をつぶさに語っていきたいと考えています。

 さて、英語における「つづりと発音の関係」については、原則的なことをまず知り、豊富な経験の中で感覚を培いながら、同時に「英語のスペルは不規則」なのだということを忘れないでください。英語という言語が多くの国の様々な民族によって使われているのと同じく、そのスペルについても歴史的に多くの言語から取り込まれた多様性が常につきものなのです。


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