★超初心者・MIDI/DTM入門講座★

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<シンプルなフレーズの打ち込み>

(拡大・縮小ツールとトラックリスト表示)

 Windows内蔵音源には色々な音色(楽器)が用意されていることがわかりました。
 そして楽器の切り替え方も理解し、CH10で簡単なドラムパターンの打ち込み方も覚えましたね。それでは今回は短いフレーズを複数の楽器を同時に鳴らした形で作ってみましょう。このあたりまで分かってくると「曲」も作れそうな気がしてきますよ。

 音楽データの打ち込みの前にちょっと画面操作について学びましょう。

 まずトラックセレクト(画面一番左の色々なチャンネルが出ているところ)から CH01 を選びます。音色(楽器)は「PC:Piano 1」のままにしておきます。

 そして「ピアノロール編集」画面の中で左図の赤丸の箇所に注目してください。
 曲を作っている途中、こまかい編集をするときは拡大表示したいですし、ときには広い音域全体あるいは多くの小節を同時に表示させたいこともありますね。そういうとき、このツールを使います。

 画面上部に赤と青の虫眼鏡アイコンが2組並んでいます。
 そして画面下部右側には「」と「」の記号がスクロールバーについています。
 これらは同じ働きをしますのでどちらでも使いやすい方を使ってください。実際に押してみて目一杯拡大・縮小するとどうなるかを確認してください。そしてそのときの作業に適したほどよい倍率に調整します。

 今後、このサイトで図示されるピアノロールとご自分のDOMINOでの見え方が違うときはこのツールを使って調整してください。

 次に「TAB」キーを押してみてください。
 すると左図のように「トラックリスト」表示になります。これは曲の全体像を見渡したいとき便利です。

 また「5〜6小節目のフレーズを10〜11小節」に「移動やコピー」したいなどの編集をするときもこの表示で作業するとスピーディで効率的です。

 もう1度 TABキーを押してもとのピアノロール編集画面に戻りましょう。

 そして「2 Start」(曲の始まり位置)に左図のように音符を入れます。
 これは音の低いほうから「ソドミ」となっている「C」のコードの展開形の1つです。

 今、1小節に「2分音符」を2回ずつ入れようと思います。でも今書き入れられたのは全部自動的に4分音符の長さですね。これを2分音符に変更しましょう。

 まず画面上部のツールバーの中から「選択」ツールを押します。これは「範囲選択」ツールと呼んだ方がいいかも知れません。これで今書き込んだ3つの音符(バー)がすべて中に含まれるように対角線ドラッグしてください。
 マウスボタンを離すと長方形の範囲内にあった3つの音符が黒く表示され、選択されたことが分かります。
 同時にイベントリストの中でも選択状態のイベント(ここでは音符)が黒く表示されます。

 次にマウスカーソルを選択範囲を表す長方形の右辺に持っていくと形状が「←→」型に変わり左右にドラッグすることで選択状態にある「音符」の長さを変更できます。ゆっくりと右へドラッグし、音符の長さが今の2倍になるよう調整してください。

 正しく調整できたら「Ctrl+D」を押して選択を解除します。

 最初、設定により自動的に4分音符の長さで入力されてしまいますが、この設定はもちろん変更できます。自分が作っている曲の中で最も使用頻度の高い音符に合わせて設定を変更して使うとよいでしょう。

 今、4分音符から2分音符へとドラッグして音の長さを変えましたが、最初から2分音符として入力してみましょう。

 ツールバーの上にある「Gate」と書かれた数字を今の「480」からその2倍の「960」に変更します。微調整なら上下の三角を押しますが、ここでは直接数字をテンキーで入力してください。

 するとこのように最初から2分音符の長さとして音符が入力されます。それぞれ同じ「ソドミ」を書き込んでください。

 これで再生スペースキーを押す)してみると「パーン、パーン」と2回鍵盤が長くなりますね。 これが1分120拍のテンポにおける2分音符2回の音です。

(ゲートタイムを理解しよう)

 今変更した「Gate」という数字は「Gate Time(ゲートタイム)」という「音が鳴っている時間」の長さを表すものです。「Gate」は「門」の意味ですが「門を通過している(=音が出ている)時間」という意味から来ています。

 MIDIを深く理解し、細かい編集によって生演奏の雰囲気を出せるためにはこの「Gate Time」の調整が第1の基本となります。ここで Gate Time についてもっと詳しく学ぶことにしましょう。

 音楽に慣れた人だとつい「楽譜入力」が簡単でなじみがあると思ってしまいますが、人間の生演奏は決して「正確ではないからノリや味がある」といえ、その「不正確さ」をこのゲートタイムの調整などで細かく表現します。

 左図の上は通常の音符による音の長さの表現です。4分の4拍子の場合ですと「1小節に4分音符が4つある」という意味ですからこのように1小節に入る音符の種類と数が決まります。

 このあたりは音楽に詳しくない人でもなんとなく分かることと思います。

 MIDIシーケンサのデータで重要なのはピアノロールでの表現に早くなれることです。
 左図の下がピアノロール上での音の長さ、つまり「Gate Time」を表しています。早い話が「横棒の長さ」がそのまま「音の長さ」を表しており極めて直感的で分かりやすいでしょう?

 そして Domino では1小節に相当する Gate TIme 1920 であり、その2分の1である「960」が2分音符、以下左図のように音符と Gate Time が対応しています。
 「3連符」の場合は、3つの音符合計が相当する音の長さから逆算すれば音符1つあたりの Gate Time が割り出せます。(うまいこと割り切れるようになってるんですよ)

 仕事などで毎日のように Midiデータとかかわっている人ならば様々なMIDIの決まりごとも自然と暗記してしまいますが、趣味で時々曲を打ち込む程度ではちょっと離れているとすぐ忘れてしまいますよね。ですからこういうMidi関連の情報は自分なりにまとめてファイルしておき、参照しながら作業するとよいでしょう。このサイトの画像をそのままDLして保存し使われても結構です。

 私がずっと昔初めてMIDIを習い始めたころはDOMINOのように親切にも楽器の名前がリストで出てきたりピアノロールで視覚的に音の長さを把握できて、音の強さもマウスで調整できるなんて優れたソフトは有料ソフトでさえまだ存在せず、なにもかもをイベントリストだけによりひたすら数値で入力しなければなりませんでした。
 楽器1つ選ぶにしてもそれが「PC(プログラムチェンジ)」の何番かということを数字で指定するしかなく、とても暗記などしきれませんから常に自分で作った参考資料を傍らにおいて作業したものです。

 そもそも昔の時代(何歳なんだ!?)のパソコンのスペックではまだDAWなんてとんでもない高級な世界であり「ハードディスク録音」などよほど金銭に余裕のある人かプロにしかできませんでした。
 アーティストのライブでもMidiやDAWが使われていましたが、舞台裏には外付けのハードディスクがずらりと並んでいたものです。だってたった1Gのハードディスクが弁当箱くらいの大きさでしたからね。今のように10万円も出せば内蔵音源もあってMidiシーケンサやDAWもフリーソフトで使えるなんて夢のような話だったのです。「Domino + Music Studio Producer + 音源」という今みなさんが「完全無料」で楽しめる環境が、かつては100万、200万ださなければ無理だったのですよ。

 ですから今 Dominoなどを使ってすべて無料で自由に音楽が作れ、生楽器やボーカルの多重録音にエフェクトをかけて営巣まで作れてしまう、このすばらしい環境を是非大いに活用していただきたいと思うのです。

 さて雑談が長くなりましたが、さらに先の作業を進めることにしましょう。

 先ほど2小節目に「GCE(ソドミ)」の2分音符を2回入力したように、3小節目にも2分音符(Gate=960)で(その隣の2つのアイコンはON)を左図のように入力してください。

 今度は「ACE(ラドミ)」というコードでいう Am(エーマイナー)です。
 鍵盤に「C5」とか書かれているのは「C(=ド)」にも色々な高さがあるので、どの高さのCなのかを示しているものです。

 私自身音楽そのものについては講義できるほど詳しくないのでそれについての解説は基本的に他のサイトや書籍を参考にしていただきますが、ごく簡単なことだけはここでもお話します。

 「ドレミ、、」という「音階名」は誰でもなじみのあるものですが、コンピュータミュージックの世界ではそれよりも「A、B、C、、、」の記号で表します。簡単に言えば「C=ド」であり、「ドレミファソラシド」=「ABCDEFGAB」です。そして鍵盤上のどの高さであるかを「C5」のように数字を添えて表します。

 以下同様の手順で2,3,4,5の4小節を左図のようにすべて2分音符(Gate=960)で入力してください。

 ここで入力した和音はギターコードでいう「C, Am, Dm, G7」であり、俗に「1−6−2−5(イチロクニーゴー)」と呼ばれるほとんどイディオム的によく使われるコード進行の1つです。

 今データはすべて「Vel=Velocity=100」の「べた打ち」ですがそれは構いません。ここではデータの編集ではなく、とりあえず望む長さの音符で和音を入力する要領をつかんでいただきます。

 ここで「TAB」キーを押して「トラックリスト」表示にしてみましょう。
 そして「2〜4小節」を図のようにマウスでドラッグし範囲指定をして、「リピート」をONにしてスペースバーを押してください。

 これでこの4小節が延々と繰り返し再生されます。「1−6−2−5」の繰り返しだけから成り立つ曲も実際に沢山存在し、この再生をバックにギターのアドリブの練習もできます。

 またスペースバーを押して再生をストップさせます。まだ選択範囲はそのままにしておいてください。

(便利なコピー&ペースト編集)

 先の4小節が選択状態のままで「編集」メニューから「コピー」を選びます。(ショートカットは「Ctrl+C」)
 これで選択されている4小節がコピーされました。

 次に「Ctrl+D」で選択を解除し、タイムラインの数字「」(現在の曲の終わり位置)をクリックします。すると図のように黒い枠が6小節目に移ります。
 そして「Ctrl+V」で今コピーした4小節をその位置にペーストしてみてください。

 すると先ほど入力した4小節が6小節目を先頭にペーストされました。
 このようにMIDIシーケンサでは自由にデータのカット、コピー、ペーストが普通のワープロ感覚で行えます。同じフレーズが繰り返し現れる場合など、いちいちそれを打ち込まなくてもコピー&ペーストすることで非常に効率的に作業できます。
 また全く同じフレーズの繰り返してない場合もペーストしてからちょっと手を加えるなどすれば白紙から打ち込むよりもずっと簡単ですね。

(ラベルをつけて自在に頭出しをする)

 もう1つ大変便利な機能を覚えましょう。

 初期状態で「Start」となっている2小節目をまずクリックします。





 そしてツールバーの一番左あたりにある「盾」のようなアイコンが2つあるうち「」のついた方を押してください。
 







 「マークの追加・編集」というウィンドウで「イントロ1」なんて書き込んでみましょう。







 すると「Start」だった文字が自分で書いた「イントロ1」に変わりました。

 このようにDOMINOでは、小節にマーク(ラベル)をつけることでトラックリストで見たとき曲の構成や進行が視覚的に把握しやすくすることができます。

 マーク用アイコンには2つあり、左の「」記号のついたものが「新規作成」、右のなにもついていない方がすでにあるマークの変更や編集をするときのものです。

 もう1つラベルを作りましょう。
 さきほど4小節をペーストした6小節目の「6」の数字のあたりをクリックします。






 「新規マーク」(+付アイコン)を押し「イントロ2」とでも名前をつけておきましょう。





 するとまた6小節目に名前がつきましたが、このマーク名は「マークアイコン」と同じ列にも次々と並んで行き、それ自体が「頭出し・移動ボタン」となるのです。





 いま「1 Setup」、「2 イントロ1」、「6 イントロ2」の3つのボタンができていますので、実際に押してその小節の頭に移動できることを確認してください。

 この指定位置移動ボタンはトラックリストのときだけでなく、トラックごとのピアノロール編集画面にもありますのでTABキーを押してピアノロールにしてそれも確認してください。

 作業に一区切りをつけてまた続きをするときはファイルを保存しましょう。
 この先もこの続きから進めますので「ファイル>名前をつけて保存」を選び「DMS-Domino専用形式」で保存しておいてください。この形式は他のソフトとの互換性はありませんが、ドミノ独自の機能がすべて保存されます。曲が完成したあかつきにはこの形式の他、他のソフトとの互換性の高い「SMF(スタンダード・ミディ・ファイル)」という形式でも書き出しますが、今はまだ必要ありません。



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